クロムメッキ

硬くて優美な白色皮膜は抜群の耐食性と
耐摩耗性を兼ね備えています。
電気器具、水道蛇口、水栓パイプ、ストーブの反射板、硬度・耐摩耗性を求める機械部品などに。
クロムメッキについて
クロムメッキ(クロームメッキ)は外観が美しく、変色しにくく、素材の耐摩耗性と耐食性を大幅に改善できます。
クロムメッキ被膜は非常に硬く、ビッカース硬度はHv850以上が得られます。クロムメッキだけの厚みは0.2~0.5ミクロン程度しかありませんが、大気中において耐食性、耐変色性が大きく、光沢性、耐食性は下地の光沢ニッケルメッキで補います。
このようにクロムめっきは、下地めっきに光沢ニッケルメッキを数ミクロン付ける為、ニッケルクロムメッキ、NiCrメッキ、装飾クロムメッキなどとも呼ばれます。装飾クロムめっきは水道の蛇口のメッキに代表される白くて(多少青っぽい)硬く傷つきにくく、耐食性が非常に良いメッキで様々なところに使われています。
クロムだけを数ミクロン以上付ける工業用クロムメッキ(硬質クロームメッキ)と装飾クロムメッキ(ニッケルクロムメッキ)は、メッキ性能自体が違いますし用途も違います。
(株)ワカヤマのクロムめっきは6価クロムメッキ液を使っていますが、メッキ皮膜はステンレス鋼のクロムと同じ0価の金属クロムであり、6価クロムの残留はありませんので、RoHS・ELVにに適合しています。
理解不足からくる誤った情報、過剰反応的な上乗せ要求には注意しましょう。
クロムメッキはクロメート処理、ユニクロなどはぜんぜん違いますので区別してください。
株式会社ワカヤマではメッキが付き難いステンレスやニッケル合金のメッキ処理用に設計されたメッキ自動機で、洗浄→酸電解→ニッケルストライク→ニッケルメッキを付け、その後、クロムメッキ、金メッキや黒ニッケルメッキなどまで、全自動・半自動めっき装置で加工するため、安定した品質を安価でお客様に供給する事が出来ます。もちろん、SUS304・SUS316などに代表されるオーステナイト系ステンレス鋼でも、SUS430などのフェライト系ステンレス鋼でもメッキは可能です。材質についてはご相談ください。

クロムメッキ

クロムメッキ/ステンレス製眼鏡

ニッケルメッキ(左) クロムメッキ(右)/ゴルフヘッド((有)藤本技工 製)

クロムメッキ/遊戯機器
特徴・用途・適応素材・処理可能寸法
特徴 |
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用途 |
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適応素材 |
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処理可能寸法 | 700×500×200 |
よくある質問
- クロムメッキとは?(ニッケルクロムメッキとは?、装飾クロムメッキとは?)
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クロムメッキ(クロームメッキ)とはほとんどの水道の蛇口に使われているシルバー色で少し青白いメッキです。他にも水道のパイプなどの水栓金具、チェーン、車の金属製バンパー、ホイールキャップなどに使われています。非常に耐食性が良く、硬く、耐候性、光や熱の反射性がよいめっきです。
ニッケルメッキとクロムメッキの色の差 (光線の関係でニッケルメッキが茶色くなっていますが実際はもっとシルバー色です)
装飾クロムメッキ(ニッケルクロムメッキとも言う)は、ニッケルメッキの上に最終仕上げメッキとしてクロムメッキをかけます。メッキ皮膜に硬さと耐食性、特有の色調を付与します。 装飾クロムの皮膜自体は、0.1~0.5μmと薄い皮膜です。厚すぎるとメッキ面に割れを生じる為、かえって耐食性が悪くなります。 下地にニッケルメッキを5ミクロン~30ミクロン程つけます。水道の蛇口はこのニッケル‐クロムメッキだと思って間違いありませんので クロムメッキの色を確認したい方は蛇口を見てくだい。 工業用クロムメッキ(硬質クロムめっき)はクロムだけを単体で数ミクロン付けます。
ニッケルメッキの硬度は400~500Hv、工業用クロムメッキは800~900Hv、装飾クロムめっきは薄い為正確には測定できませんが、工業用クロムメッキより少し柔らかいか同程度だと思います。
装飾クロムめっきはニッケルメッキだけよりも「耐食性」に優れていますし、硬度が高いため耐磨耗性に優れているなど、安くて非常に耐食性の良いメッキなんですがRoHSで6価クロムが規制されている為、最近は人気がありません。
しかし、注意していただきたいのはクロムメッキ被膜中には6価クロムは含まれていません。 皮膜はすべて金属クロムになっていて価数は0です。イオンのままメッキとして析出することはできませんし、メッキ後は必ず洗浄してから乾燥しますので6価クロムが残留することもありません。 その点はご安心を。 環境に害があるのは6価クロムであって、金属クロムではありません。クロムが全てだめならニッケルとクロムと鉄の合金であるステンレスまでもが使えなくなってしまいます。
水道の蛇口やトイレのパイプは今でもほとんどクロムめっきです。
トイレなどの水栓パイプを気をつけて見ると、上場会社のマークがあるパイプはきれいですが有名ではないブランドマークのパイプは錆びていることがあります。 メッキの膜厚や質の違いでしょうね。
少し専門的になりますが、ニッケル-クロムメッキの耐食性をさらに良くするために2層ニッケルめっき、3層ニッケルめっき、マイクロポアーニッケルメッキなどが開発されています。これらの下地ニッケルメッキにクロムメッキをかけると電気化学的に耐食性がよくなります。
<クロムメッキについてもっと詳しく知りたい方は>
⇒クロムメッキのページへ
(株)ワカヤマでは六価クロムの代替めっきとして色調の似た錫-コバルトメッキを使っています。 三価クロムメッキも開発されていて、最近は性能もよくなっているようですが性能的にはまだまだ6価クロムメッキが上のようです。
<クロムの代替えメッキ>
⇒錫-コバルトめっき(クロム代替めっき)のページへ
<黒いクロムメッキ>
⇒黒クロムメッキのページへ ⇒ニッケルメッキのページへ
<どんなメッキにすれば良いのか分からない方は>
⇒メッキと塗装の選択法、メッキの特性
- ステンレスにニッケルクロムメッキ(装飾クロムメッキ)をして欲しいのですが、できますか?
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もちろん、出来ますからご安心ください。
ただし、装飾クロムメッキ(ニッケルクロムメッキ)です。クロムメッキだけを厚くつける硬質クロムメッキではありません。
他のメッキもステンレスにできます。
⇒クロムメッキのページへ
- ニッケルメッキとクロムメッキの見分け方を教えてください。
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ニッケルめっきもクロムメッキも色は「シルバー色」などとしか表現のしようがありませんが、良く見るとまったく違う色です。
ニッケルめっきはステンレスより少し明るいシルバー色です。
ステンレスの流し台や包丁よりも黒味の抜けた明るい色がニッケルです。
クロムめっきは青白いシルバーです。水道の蛇口は大抵クロムメッキです。
下の写真は素人写真なのでうまく色が表現できていませんが、だいたいの感じはわかると思います。
写真の左側がニッケルメッキ、右側の青っぽい方がクロムメッキ
- 6価クロムの代替メッキはありますか?
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有ります。
弊社では錫とコバルトの合金メッキがそれにあたります。
色はクロムほど白くはありませんが、青味のある淡いグレー色です。
錫コバルトメッキとクロムメッキは外観、色だけではほとんど見分けがつかないほど良く似ています。(下写真参考)耐食性も良く、ただ硬度はクロムメッキのほうが硬いです。
(株)ワカヤマでは使いませんが三価クロムメッキもあります。
ただ、RoHSは最終製品中に有害物質が残らない事を求めているのであって工程中で使ってはならないとは言っていません。
従ってクロムメッキ皮膜は金属ク ロムの0価の皮膜であり、6価クロムメッキから得られたメッキ皮膜はRoHSに対応しているのです。
水洗不良による6価クロムの残留は論外です。
金属クロムもだめならステンレスはもう使えませんよね!
RoHSの事は以下のサイトをご覧下さい。
⇒中小企業ビジネス支援サイト、ここが知りたいRoHS指令
⇒スズ-コバルトメッキのページへ
⇒黒クロムメッキのページへ
⇒クロムメッキのページへ
左が錫コバルトメッキ、右がクロムメッキ 外観はほとんど区別がつきません
- RoHS対応の3価クロムメッキはありますか?6価クロムメッキの代替えメッキはありますか?6価クロムメッキをRoHS対応のメッキ液に変えたいのですができますか?
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現在弊社ではクロムメッキの代替えとして「スズ-コバルトメッキ」を用意していますが、
6価クロムめっきはRoHSに対応しています。
3価クロムメッキは耐食性、色調、不良率などに難があり、弊社では使っていません。
(現在では色調、性能とも6価クロムめっきとほとんど変わらない3価クロムメッキもあるようです。)
RoHSは最終製品中に有害物質が残らない事を求めているのであって工程中で使ってはならないとは言っていません。クロムメッキ皮膜は金属クロムの0価の皮膜であり、6価クロムメッキはRoHSに対応しているのです。洗浄不良で6価クロムが残留しているなどは問題外とします。
3価クロムメッキもメッキ皮膜も6価クロムメッキ皮膜もメッキの皮膜になれば同じ0価です。
0価の金属クロムもだめならステンレス(鉄とクロムの合金)も、もう使えませんよね!
ただ黒クロムメッキはメッキ皮膜がスポンジ状になっていて、その複雑に入りくんだ穴の中の6価クロムメッキ液が完全に水洗で取れているとは言い切れないのでRoHSには非対応としています。
三価クロムめっきは環境にやさしい技術ですし、まったく否定するものではありません。
また、クロメート処理とクロムメッキを混同する方がおられますがこれはまったく違う処理なのでご注意をお願いします。
「ユニクロ」とは亜鉛メッキのユニクロメート処理のことで、これもクロムメッキとは違います。
クロムメッキのRoHSに関する事は以下のサイトをご覧下さい。
中小企業ビジネス支援サイト
「Q25 クロムメッキとRoHS」
「クロムめっきに関する知識の整理」
⇒クロムメッキのページへ
⇒黒クロムメッキのページへ
- 黒クロムメッキとは?ブラッククロムめっきとは?
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通常の青白いクロムメッキと違い、ほんとに真っ黒なクロムメッキです。
カメラ、自動車、オートバイ部品、弱電部品など幅広く使われています。
薄膜で多孔質でありながら耐食性が大きいため、下地めっきの膜厚を薄くすることが出来ます。
塗装の下地として使用すると密着性が良好になります。
ただ、単体では耐摩耗性に劣りますのでほとんど上からコートをかけてカバーします。
黒クロムめっき
- スパナなどの工具のキラキラのめっきは何めっきですか?
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硬質クロムめっきです。
工具には質問のキラキラの硬質クロムめっきの物、防爆用だと素材に無めっきのものがあります。
たまにニッケルめっきの物も見かけます。
では、プロはなぜわざわざ高い工具を使うのでしょうか?100円均一の中国製の工具は論外ですが、最近ではホームセンターに売っているまとめて数千円の台湾製の工具でもそれなりに精度がでていて問題ないように思います。
実は高い工具を選ぶ1つの要素としてめっきの品質があります。粗悪な工具の中には、買った時はキラキラでもすぐに錆びてくるもの、錆びなきゃいいだろうと必要以上にめっきが厚い物などあります。(厚いと衝撃に弱くなります)こういった工具を例えばエンジンなどの分解整備に携わっている人が使って、剥がれためっきがエンジン内部に潜り込んでしまったら大変です。ですから適度な厚みのしっかりとしためっきが密着している高価な工具を選ぶのです。
それでも心配なプロは滑り止めも兼ねて黒染めの工具を愛用しているようです。
三価クロムメッキ浴と六価クロムメッキ浴の比較
三価クロムメッキ | 六価クロムメッキ | |
---|---|---|
クロム(g/L) | 5~25 | 50~200 |
硫酸(g/L) | - 他に 錯化剤、電導塩、促進剤、PH緩衝剤、界面活性剤など | 2~3 |
電流密度 | 3~8A/d㎡ | 10~50A/d㎡ |
浴温 | 30~50℃ | 40~60℃ |
連続活性炭処理 | 必要 | 不要 |
空気撹拌 | 必要 | 不要 |
メッキ厚み | ~1.5μ | 厚付け可能 |
メッキ膜の色調 | 暗いシルバー | 青白い |
耐食性 | 劣る | 良好 |
被覆力 | 良好 | 劣る |
バレルメッキ | 可能 | 難しい |
硬度(HV) | 500~700 | 800~1100 |
浴の耐不純物性 | 敏感 | 鈍感 |
メッキ膜中の不純物 | 炭素、酸素を数%含む | 少ない |
排水処理 | 中和 スラッジ多い | 還元、中和 スラッジ少ない |
毒性 | 低い | 高い |