品質試験

鉛筆硬度試験(旧 JIS K5400 鉛筆引っかき試験)

鉛筆硬度試験(旧 JIS K5400 鉛筆引っかき試験)とは

鉛筆硬度試験とは、塗装の皮膜の硬さを測定し塗装皮膜が規定の硬度を有するかを確認する試験です。

この試験方法はすでに廃盤となった「JIS K5400塗料一般試験方法」の「2.4 鉛筆引っかき値」としてありましたが、新しい「JIS K5600 塗料一般試験方法」では「4.4 引っかき硬度(鉛筆法)」となり内容も若干変更されました。 
単に硬度が高ければ傷つきにくく丈夫で性能が良いというわけではなく、反対に屈曲性がなくなり曲げ試験で塗膜に割れがはいったり製品の性能を損なう場合もあります。
焼付塗装の焼付温度低下、焼付時間不足や2液型ウレタン塗装の硬化剤不足など、硬化反応が不十分な為に硬度が不足している場合は塗膜本来の性能が発揮されず塗装が剥げたり品質低下の大きな要因となります。

塗装皮膜には製品の使用目的や用途により、適度な硬さと屈曲性のバランスが求められます。
専用の鉛筆引っかき試験機もありますが、塗装製品は平らで大きいものばかりではないので、弊社では手かき法で行っています。

通常の焼き付け塗装で2H~3H、樹脂塗装でF~H、セラミック塗料(焼付け塗装)は4H以上、電着塗装は2H~3Hです。樹脂塗装が軟らかいからといってすぐに剥げるというものではありません。鉛筆硬度試験はあくまで塗装の性能、性質を表す1つの指針です。

塗装については以下のページをご覧ください。
焼付塗装
樹脂塗装
電着塗装

「品質試験依頼と単価・納期について」


試験の目的

塗膜の鉛筆硬度を測定します。


試験方法


図:鉛筆硬度試験
参考文献:JISハンドブック塗料(日本規格協会)

硬さ試験(鉛筆引っかき値)
手かき法

(1) 試験を行う鉛筆の芯先を、固い平らな面に置いた研磨紙400番に対し直角にあて、芯先が平らで角が鋭くなるように研ぎます。

(2) 研いだ芯を試験面に対して45°にあて、芯が折れない程度にできる限り強く塗面に押し付けながら試験者の前方に均一な速さで約1cm押し出して塗面を引っかく。
(押し出す速度は約1cm/sとする。)

(3) 1回引っかくごとに鉛筆の芯の先端を研いで、同一の濃度記号の鉛筆で5回ずつ試験を繰り返す。

(4) 塗膜の破れまたはきりきずが5回の試験で2回以上になる鉛筆の硬さの一段下の濃度記号を記録する。

使用機器
三菱ユニ鉛筆 6B~9H

当社の判定基準

塗膜の種類によって鉛筆硬度試験の判定は異なりますが、
弊社の場合の塗装の鉛筆硬度の合格基準を以下に示します。

合格基準
焼付け塗装(アクリル樹脂):2H以上
電着塗装(アニオン電着塗装):2H以上
セラミックコート:3H以上
樹脂塗装(ウレタン樹脂):F以上


参考

各塗装樹脂の鉛筆硬度の比較(大体の目安です)

2液ウレタン樹脂塗装      : F~2H
焼付エポキシ樹脂塗装    : H~
焼付アミノアルキド樹脂塗装 : HB~H
焼付アクリル樹脂塗装    : 2H
焼付フッ素樹脂塗装     : 2H~
焼付セラミック樹脂塗装   : 3H~7H


「JIS K5600 塗料一般試験方法」の塗膜一般試験方法の概要


JIS K5600 塗膜の機械的性質
5-1 耐屈曲性 塗装された板を折り曲げて割れや剥離を調べる
5-2 耐カッピング性 試験片の裏側から鋼球を押し出し、変形させた時の塗装膜の割れ、はがれ抵抗性を試験する
5-3 耐重り落下性 落体式、落下球式、デュポン式がある
おもりを落下させその衝撃による塗装の割れ、剥離を調べる
5-4 引っ掻き硬度(鉛筆法) 塗装膜硬度を鉛筆の硬さにより評価する
5-5 引っ掻き硬度(荷重針法) 1mmφの半球状針に荷重をかけて引っ掻き、針が素地に達した時の荷重値で塗装膜の硬さを評価する
5-6 付着性(クロスカット法) 塗装膜に素地まで達する6本の格子状(碁盤目様)の切り込みを入れたときの剥がれ抵抗性を調べる
5-7 付着性(プルオフ法) 塗装された試験片に試験円筒を接着させ、垂直に引っ張り、塗装が剥がれたときの最小張力を測定する
5-8 耐摩耗性(研磨紙法) テーバー型磨耗試験機を用いる
試験片の試験前後の重量変化から磨耗減量を求める
5-9 耐摩耗性(磨耗輪法) テーバー型磨耗試験機を用いる
磨耗輪に規定の荷重をかけ規定の回転数での磨耗減量を求める
5-10 耐摩耗性(試験片往復法) 試験片往復式磨耗試験機を用いる
研磨しに規定の荷重をかけ往復運動させたときの、磨耗減量を求める
5-11 耐洗浄性 耐湿潤磨耗性、耐汚染剤除去性がある

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