よくある質問

アニオン電着塗装とカチオン電塗装着はどっちが強いの?

アニオン電着塗装とカチオン電着塗装はどちらが丈夫なのですか?と言う質問を良く受けますが一概にどちらとも言えません。カチオンの方が強いとのサイトもありますが、素材、下地メッキの種類、化成処理方法、品物を使う環境や目的、膜厚、などなどいろんな因子が介在してきますからはっきりは決められません。

もしアニオン電着塗装の方が丈夫だと決まっているならカチオン電着塗装は今頃無くなっているでしょう。両方存在するのは、それぞれの電着塗装には特徴と違いがあり、それをうまく使い分けているためです。
ちなみに弊社では主にアニオン電着塗装を使います。弊社が電着塗装する製品は主にメッキされた装飾品なので、それはアニオン電着塗装の方が適しているからです。
弊社の電着塗装は、装飾用としてニッケルメッキ、クロムメッキ、黒ニッケルメッキ、パラジウムメッキなどの上に透明なカラークリアーの電着塗装を付けるので、アニオン電着塗装のほうが丈夫で樹脂が透明なためカラークリアーの色々な色が出せるからです。
平成11年から鉄鋼用にカチオン電着塗装も始めました。鉄製品、SECC,SPCCにはカチオン電着塗装のほうがはるかに丈夫です。

自動車の車体の下塗りはアニオン電着からカチオン電着に変わったそうですが、それはアニオン電着の塗膜は酸性になるので鉄には不向きだからです。反対にアルミにはカチオンよりアニオンの方が丈夫な皮膜になります。鉄鋼系はカチオン電着塗装、アルミニウムはアニオン電着塗装が使われます。アルミサッシの95%は陽極酸化皮膜+アニオン電着塗装との文献もあります。

また、「カチオン電着塗装=黒」のイメージがあるくらいカチオン電着はほとんどが黒色ですがアニオン電着はアクリル樹脂の為、透明性が高く使える顔料の種類も豊富なために下地が透けて見えるカラークリアー系の色はほとんどがアニオン電着です。装飾性の高い眼鏡などにアニオン電着が使われる理由の1つです。

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