メッキと塗装の豆知識

面白いペンキのお話しシリーズ 塗装

No1 ヘビも困った「貼り紙防止塗料」

いろんな機能をもった面白い塗料のご紹介シリーズを始めます。

第1回目は「貼り紙防止塗料」です。
電柱や壁に貼り紙をしようとしても糊がくっつかない塗料です。
貼り紙は美観を損ないますし、剥がすための人力や時間など無駄ですね。
下地にはコンクリートプライマーや錆止めプライマーを塗り
中塗り、上塗りと3層構造にし、素材の保護、美観、貼り紙防止の3つの機能を持たせています。
この塗料は付随的に2つの機能も持っています。
1つは、落書き防止・・・ペンキなどが付かない、またはすぐに取れる
2つ目は、なんと「防ヘビ」です。
山間部の鉄塔などに塗るとヘビがすべって登れないのです。
それで、ショート事故などを防いでいます。

No2 きれい好きの方のための塗料

*抗菌塗料
抗菌剤としては有機系と無機系があります。
有機系は様々な種類がありますが、無機系とは銅、銀、亜鉛など金属です。
つまり、金属の皮膜であるめっきは元々抗菌性があるものなのです。
冷蔵庫の取っ手、ドアのノブ、階段の手すり、病院の設備などは衛生のために、金属やめっき製品を使う事が常識なのです。
話はそれましたが、抗菌塗料は病院、高齢者施設、食品工場、食器棚、ケース類などに使われています。

*防かび塗料
これはまさに、高温多湿の日本向け塗料です。
浴室、地下室、外壁、食品工場、電子関連のクリーンルームなどに使われています。
また 電気器具、光学機器、精密機械などもカビによる性能低下を防ぐために使われています。
私が今春、カメラを買ったときに店の人に湿度計付きのケースと乾燥材も
勧められました。
なぜ?と聞くと故障原因の多くはカビが原因だから買った方が良いとの事。
レンズにカビが生えても保障範囲外になり 結構高くつくらしい。
即、買いました。ネットで買えばもっと安いけどこういうサービスや情報はないから
人と人の触れ合いも大事です。

*防虫塗料
白アリなどを殺す殺虫剤が入ったもの、虫を寄せ付けないような忌避剤入り、木材内部に侵入した昆虫の食害を防ぐ防腐塗料があります。
害虫の集まる所などに局部的に塗ります。

No3 家中きれいにする光触媒塗料

*光触媒塗料
酸化チタン(TiO2)の光触媒作用は紫外線にあたると有機物を分解し、超親水性により汚れを洗い落としてしまう機能があります。
つまり、家の外壁などに使うと 太陽光線で有機物を分解し、雨が降れば親水性のため汚れを流してしまうというわけです。
最近はわずかな光でも触媒性能が良いもの、ガラスなどにでも密着するものなどが開発されて用途が増えています。
高層ビルの窓ガラスが汚れなくなると危険なガラス吹きをしなくても1年中きれいな景色が見られますね。
また有機物を分解するという事は「抗菌」(生物は有機物)や「脱臭」作用もあります。
(匂いも有機物が多い、例えばあの匂いはメルカプタン=有機物、アンモニア=無機物などの混合した匂い)
ただ、まだちょっと値段が高いかな?

No4 奥様必見 フライパンはこれできれいになったよ フッ素樹脂

*フッ素樹脂塗料
大昔はフライパンを焦がしてしまうと焦げがくっつき水でふやかしてから、へらやたわしでごしごし削ったものです。
しかし、今のフライパンはそんなことは必要ないですね。
それはテフロンと呼ばれるフッ素樹脂を塗っているからです。
フッ素樹脂の上には物がくっつかない性質があるので、焦げもつかないし
ご飯粒やいろんな汚れなどが付いてもすぐに取れるのです。
フッ素樹脂はPTFEと云う樹脂のことで これを塗料にしたものをフライパンに塗ります。

PTFEはポリテトラフルオロエチレンと言います。
2つの炭素(エチ)が二重結合し(レン)4つ(テトラ)のフッ素(フルオロ)が重合(ポリ)しているという意味です。
これは有機物のジュネーブ命名法といい、世界共通でこの名前だけで化学式が書けます。
よくエチルアルコールとか言いますが、これは日本だけで通じる慣用名でエタノール(2つの炭素にアルコールが付いている)がジュネーブ命名法です。

PTFEは耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、非粘着性、スベリ性、密着性などにすぐれた性質を持つ樹脂です。
台所の製品に良く見かけます。
ちょっと値段は高いけど、それ以上の付加価値が付けられるからでしょう。
フライパン、電気ポットや炊飯鍋の内側、アイロン、ヘアーアイロン、ガスコンロで汚れがすぐ取れる製品、ホットプレート、三角コーナーなどに使われています。
他の製品に使っても汚れない、丈夫など利点はあるのですが、その上から印刷などの後加工やシールがすぐに取れてしまうと云う利点が欠点になってしまうので注意が必要です。

No5 これからの季節に便利な結露防止塗料

*結露防止塗料
昔の木造住宅ではありえなかった嫌な結露冬期にアルミサッシなどによく付いてますよね。
結露を防止するには、サッシを二重にする(高い)、換気扇をかける(寒い)除湿機をかける(電気代無駄)などの方法がありますが、結露防止塗料を施工すれば簡単なので普及してきました。
住宅だけでなく温泉、プール、温室などにも適用され効果をあげています。
塗料の吸湿、保湿、放湿能力を高めるために、顔料としてひる石、パーライト、珪藻土、炭酸カルシウムなどを用います。

No7 塗るだけで省エネしちゃう地球にやさしい遮熱塗料

*遮熱塗料
字を見れば分かりますね。
太陽光の熱の元である赤外線を反射して建物の屋根などが熱くならないようにして、エアコンの電気代節約や二酸化炭素の削減に役に立つまさに21世紀用の塗料です。

塗料メーカーの資料によれば、真夏の屋根の温度が60℃以上の時に部屋の温度が10℃近く下がるとなっています。
うちの2階建の社屋の一部にも使っていますが、確かに触ると他の塗料を塗った屋根とは、明らかに温度が違います。
ただ、めっちゃ高いんですがもう少し普及すれば安くなってくるでしょう。

他に熱に関係する塗料には、耐熱塗料(工場の煙突、自動車のマフラー、機械)、示温塗料(特定の温度で特定の色に変化する)、熱線吸収塗料(ソーラーシステムの集熱体)、防火塗料(木材も燃えにくくする)、変わったところでロケット発射台塗料と言うのもメーカーのカタログにありました。
ロケットの発射台は最高温度が3000℃にもなり、排気ガスがものすごい温度と圧力で襲ってくるそうです。

No8 これも省エネ塗料だけど でもちょっと・・・

*船底防汚塗料
この場合の防汚の 「汚」 とは 船底につく藻類やフジツボのことみたいですね。
船底にフジツボなどが付くと水の抵抗が大きくなって、船のスピードが落ちるため燃料がたくさん必要になるのです。
この塗料を塗っておけば、いつもきれいな船底で省エネになるというわけです。

自己研磨型(うなぎ塗料)とか高硬度型とか言いますが、要するに塗料の中に防汚剤と呼ばれる生物が嫌う成分。
まぁ要するに毒みたいなものでしょうが入っているので、藻やフジツボが船底に付かないようになるらしいです。 
自己研磨型というのは、自己消耗型ともいい要するに塗料が少しずつ海水に溶けて、防汚剤とやらをどんどん出していきます。
その為、半年から1年くらいで塗り替えが必要になります。
昔は防汚剤に「有機スズ(トリブチルスズ)」を使いましたが、世界中の海から検出されてその毒性の高さから大問題になり、今は使用を禁止されています。
現在の防汚剤はトリブチルスズ程ではないにしても、フジツボが嫌うのですから他の生物にとっても体に良いものではないみたいです。
これは亜酸化銅と云うものらしいですが、本当に大丈夫なんでしょうかね?
世界中で1年間にどのくらい使われているのでしょうか?
ちょっと考えてしまいます。

No9 「メッキ塗装」???何の事???

*メッキ塗装とは何でしょうか?
「メッキ塗装」と言う言葉が最近よく使われるようになってから、めっきと塗装の区別が付かない人が増えてきたと思います。
メッキ塗装というのは造語であって、正式な名前は無いのかもしれませんが「銀鏡塗装」か「メッキ調塗装」と呼ぶ方が分かりやすいと思います。
これは、銀鏡反応膜を製品の表面に付けるとシルバー色の光沢膜なので製品がまるで金属でできているように見えます。
この上から例えば金色のカラークリアー塗装をすると製品が金めっきしたように見え、クリアコートだけなら銀めっき、赤や青色をつけても金属にカラークリアー塗装をしたように見えます。
塗装が出来るものなら、木でも石でもプラスチックでも金属のようになります。
誰がいつからこの言葉を使うようになったかは知りませんが、現在はかなり幅を利かせています。
他に良く似た変な言葉に「電着メッキ」「カラーメッキ」などがあります。
これは多分(多分と言うのは言っている人が分かっていないから、私にも分からない)電着塗装のことです。
電着塗装は完ぺきに塗装です。めっきには電気をかけて付ける「電解めっき」と電気は必要のない「無電解めっき」があります。
また、めっきの色は金色、銀やニッケル、クロムのシルバー系、グレーや黒系、銅めっき色しかありません。
昔はカラーロジウムめっきとか何とかがあり、赤や青も出来たのかもしれませんが、今は探しても見当たりません。

No10 チタンも溶かしてしまう塗装剥離

チタンと言えば耐食性が良くて、軽くて、夢の金属のように言われています。
その耐食性ゆえ航空機部品や人工関節、化学プラントなど様々なところで役に立っています。
塗料関係では二酸化チタンが白い顔料として、また以前ご紹介した光触媒塗料としても使われています。
このチタンが何十年も前から普通に使っている塗装の剥離剤で溶けてボロボロになってしまうのです。超弾性(Ti50%‐Ni50%)も簡単に、それこそ1cm単位でポキポキと折れてしまいます。
しかし、チタン以外の金属やニッケルめっき、クロムめっき、金めっきなどはよほど間違えて付けすぎない限りまったく変化ありません。
塗装剥離後は洗浄してそのまま再塗装ができます。
実際、この剥離剤のタンクはステンレスですがもう何十年も使っています。
なぜチタンが溶けてしまうかと言うとチタンは高温、高濃度の苛性ソーダ(水酸化ナトリウム、NaOH)や水酸化カリウム(KOH)には弱いからです。この剥離剤の主成分は水酸化カリウムです。
この様にチタンは耐食性がいいと言われていますが、他の金属なら何の変化もない様な薬品に反応してしまうことがあるので、塗装の剥離の時には素材が何なのか非常に気を使います。
また、アルミニウムは両性金属と言って酸にもアルカリにも溶けるのでアルミニウム専用の塗装剥離剤を使わないと溶けて無くなってしまいます。
上記の水酸化カリウム剥離剤の液に間違えてアルミニウムを入れると爆発的に反応して溶けてきます。
弊社では6種類の塗装剥離剤を樹脂の種類、使い方、素材の金属種類によって使い分けそれぞれ温度、時間などを管理して使っています。


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