メッキと塗装の豆知識

自分が犠牲になって鉄をお守りする亜鉛めっき メッキ

鉄が表面処理をせずにそのまま使われる事はあまりないので、ほとんどの鉄にはめっきか塗装や黒染めなどが付いています。
鉄のめっきはほとんどが亜鉛めっきです。
なぜかと言うと、鉄に亜鉛めっきをすると亜鉛が自ら腐食して犠牲になって鉄を守ってくれるからです。

どういうことでしょう???

電気化学的性質というと、難しく聞こえますが、2種類の金属をつなぐと必ずその電位差のために電流が流れるのです。
電流が流れるという事はどちらかが陽極になり、反対側は陰極になるということになります。
金属が陽極になるということは溶ける、酸化する。
つまり「さびる」ことなのです。
亜鉛の電極電位は-0.76V、鉄は-0.47Vであるので、これを海水中でつなぐと電流が流れ、マイナスの強い亜鉛が陽極になりさびます。
亜鉛は自分がさびて、鉄を守るのです。

一般のめっき金属でこの性質が亜鉛に勝るものはありません。
最近は亜鉛自体の耐食性を良くするためにクロメート処理をしたり、光沢亜鉛めっきも性能が良くなり、装飾的な目的も要求されるようになりました。

亜鉛めっきは環境のよい所で使う部品には5ミクロン程度、海岸地帯で使うものには25ミクロン以上にクロメート処理が必要と言われています。
鉄は一度さび始めると内部までぼろぼろになってしまいますから、めっきの仕様を決める時には、どこで、どのように使う部品なのかを良く考えて亜鉛めっきの厚みなどの仕様を決めてください。


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