よくある質問

金属アレルギーとは?ニッケルアレルギー対策について

ヨーロッパを中心に「金属アレルギー」疾患の増加が報告されており、
その主な原因である金属のニッケルはEUにて規制されています。(EC指令European Directive Annex 94/27/EC

もともと黄色人種である日本人は金属アレルギー(主にニッケルアレルギー)になりにくいとされていましたが、
最近は、金属に対するアレルギー症例が多く見られるようになり、ニッケルフリー製品への関心が高まっています。日本人の12人に1人は金属アレルギーだというデーターも有ります。歯科治療に使う金属、眼鏡、時計、アクセサリー、ボタンなど皮膚に触れるものがアレルギーの原因になります。

眼鏡やアクセサリーなどの通常の装飾めっきでは下地にニッケルメッキを使用し、その上に金メッキなどを付けています。ニッケルメッキは光沢性、耐食性向上の役割を担っており、ニッケルを省くことは美観と耐食性低下の大きな要因となります。
ニッケルフリー、ノンニッケル、ニッケルレスなどの言葉のはっきりした定義は無いようですが、言葉のニュアンスからいうと製品にニッケルがまったく無いように感じます。しかし、製品によっては金属材料自体にニッケルが含まれていたり、ニッケルメッキ後その上に純パラジウムメッキ、金メッキ、塗装で覆ってニッケルフリーと呼ぶ紛らわしいものもあるかもしれません。

金属アレルギーのある方はアクセサリーや眼鏡を買う時は店 員さんに素材やメッキの種類をはっきり聞いてから買ってください。それが一番の対策になります。(メッキや塗装、金属アレルギーの知識が不足している店員さんもたくさんいます。そこはご自身で見分けてください)
最近の商品で金属アレルギー対策をとっている物は必ずその旨の表示があります。

まったくニッケルを含まない眼鏡はオール純チタンに貴金属メッキだけ、または塗装だけで表面処理をします。
チタンは耐食性が良くアレルギーを起こしにくい金属ですが、その反面メッキが非常に付きにくい金属です。
(株)ワカヤマでは純チタンをはじめ様々なチタン合金にもメッキや塗装が可能です。

銅合金(ニッケル(Ni)を含む)やニッケル合金製の眼鏡や真鍮製のネックレスなどのメッキはニッケルメッキの代わりに銅と錫の合金メッキ=銅錫メッキを付けて耐食性を上げてからその上に金メッキやロジウムメッキをかけます。

アレルギーになりにくいサージカルステンレス(SUS316L)を使った装飾品もありますが、これも10%程度はニッケルが含まれています。耐食性が良いためニッケルが溶出しにくく、アレルギーになりにくいステンレスです。
形状記憶合金はニッケル50%、チタン50%ですが、これも非常に耐食性が良くニッケルが溶出しにくいので、たまに触れる程度ならほとんどニッケルアレルギーは起こさないと思います。ニッケルを含まないステンレスもあります。

ニッケルの他にもコバルトやクロムにもアレルギー反応を起こす人がいます。また、金やパラジウムなど貴金属やなんとチタンにまでもアレルギーを起こす人も少なからずおられるらしいです。こうなってくるともうどうしようも有りません。

一度ニッケルアレルギーになると直らないそうですので、安物のピアスなどは材質を良く調べてから身に着けるようにしてください。
どのような素材、製品を製造する際にどのような表面処理を使って金属アレルギー対策をとるのかは個別にご相談ください。(個人的なご相談はお医者様にお願いします)

金属アレルギーのある方は皮膚科、歯科医院で何の金属に反応するのか調べていただいてください。
条件によっては保険が適用できないこともあるようです。ご注意を。

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