1、チタンの下地めっきの工程のご紹介
チタンは非常にめっきが難しい金属なので いきなり装飾めっきは付けられません。初めに下地めっきとしてニッケル又は金を付けてから ベーキング後もう1度 金めっきやニッケルメッキを付けます。この下地めっきはチタンと密着させる事が最大、唯一の目的ですから 光沢剤など余計なものはなるべく入れないので 少し曇った外観で 厚さも薄いめっきです。ニッケルめっきは最近は金属アレルギーのため敬遠されがちですが。
つまりチタンは2回メッキしますから 時間も手間も2倍以上かかります。
チタンのアミに白金めっきをした電極やチタンに金めっきをした燃料電池極板などは 機能めっきですから光沢が無くても構いません。それに比べ チタン製眼鏡の金めっきなどは光沢が無いと商品になりませんね。
チタンの白金めっき電極はめっき業界では昔から貴金属めっきの電極などに使っていましたが、光沢のあるめっきをチタンに付けたのは恐らく日本の眼鏡業界が世界初ではないでしょうか?ベーキングもかなり低い温度でしないと チタンが鈍ってしまったりして バネ性が必要な眼鏡のテンプルには使えません。
他にチタンに光沢のあるめっきを付ける需要自体があまりありませんから。
チタン製眼鏡にめっきが出来るようになって20数年経ちますが その間に様々なチタン合金やベーターチタン、超弾性合金などが使われるようになりましたが その都度 眼鏡のめっき業界は対応してきました。
下地めっき工程
検査、ラック掛け後
洗浄1→水→洗浄2→水→電解洗浄→水→水→水→酸洗い→水→水→水→
Ti 酸洗い(Niめっき用、金めっき用)→水→水→水→Ni又は金めっき→回収→回収→
水→水→純水→純水→熱風乾燥30分→ベーキング 250℃から350℃で1時間から15分間
仕上げめっきは通常のめっき工程とまったく同じです。