金属アレルギーとメッキ and 塗装の事
最近はいろんなものにアレルギー反応を示す人が増えているようです。
アレルギーを起こす物質は
金属(ニッケル、コバルト、クロムなど)、チョコレートのカカオにもニッケルが含まれていて
アレルギーを起こす人がいるらしいです。皮もなめす時にクロムを使います。
食べ物(卵、牛乳、えび、かに、小麦、そばetc)
アレルギー性鼻炎(杉、稲、ヨモギ、ブタクサ、松、ハウスダスト、かびetc)、
化粧品、石鹸、シャンプー、ペット、衣服、薬・・・
アトピー、じんましん、ぜんそくもアレルギー性の物があります。
以前 弊社の新入社員に自分の汗でじんましんが出ると言う子がいましたし、
最近の新入社員の50%以上はめっき現場の何かの薬品にかぶれます。
大学の化学科卒業の学生の話です。最近はあまり実験をしないから
化学科でも自分は何にアレルギーを起こすのか知らないようです。
私が学生の頃は毎年1人や2人は硫化水素ガスでぶっ倒れるまで実験してました。
これほんとの話です。誰かが倒れたらみんなで非常階段の外の踊り場に運んでおけば
そのうち目が覚めます。先生も黙って見ていただけだったと思います。
アレルギーの原因や症状は医者に聞いていただくとして、ここではめっきや塗装の表面処理で
アレルギーを起こさなくする方法のご紹介です。
塗装すれば金属表面は覆われる訳ですから 金属アレルギーは起こしません。
黄色い顔料にクロムを使ったものがありますので 注意してください。
弊社の顔料はクロムを含まないものを使っていますが、意識の低い会社はまだ使っています。
少し前までは黄色い顔料には ほとんどすべてにクロムが入っていました。
今でもクロム入りの方が多いと思います。酸化クロムやクロム酸鉛はきれいな黄色が
出るんです。山吹色は英語ではクロムイエローです。
カドミニウムイエローなどという名前を聞いただけでも怖くなるような顔料もありますが
いまだに使われています。(カドミニウムはイタイイタイ病の原因物質、骨が極端に弱くなり
くしゃみや振り向くだけで骨折し患者がイタイイタイと泣きながら死んでいった4大公害病の1つ)
白い色に酸化チタンを使う事もありますが チタンはまず大丈夫でしょう。
素材にニッケルを含む金属を使用する場合 金めっきやパラジウムめっきなどの
貴金属めっきする方法が取られます。
しかし 金やパラジウムでもアレルギーを起こす人がおりますので この様な人は
注意してください。自分のことは自分で守るしかありません。
どういう金属に何%の人がアレルギーを起こすのかと言うデーターは不思議といいものが
ありません。あってもデーターが古かったり、調べた人数が少なかったりです。
皮膚科に来た患者の何%がニッケルアレルギーなどと言うあまり意味のないデーターも
あります。
ニッケルはコインはもちろん、様々な金属に使われているので ニッケルを使わないように
することはまず不可能と思われます。
幸い金属アレルギーは触ったとたんに発症するというものではないので 疑いのある人は
医者に行ってアレルギーのパッチテストをして自分のアレルゲンを知っておく事です。
まともな製品にはアレルギーに対する注意書きが必ずあります。
眼鏡は塗装や貴金属めっきでアレルギーを回避する事はできますが、時計バンドは
結構きつく手首に擦れますので 塗装はまずもちません。めっきも結構厚くつけないと
だめでしょう。最近の金属製時計バンドはほとんどがチタンの蒸着なので安心です。
ピアスの針(?)に塗装は付けないだろうし、メッキするくらいなら初めから
貴金属で作った方が安くて 安全かも
他にボタンやファスナーも見落としがちですから 気を付けてください。 こういこ
これらは値段が大事なので金属製でもあまり良いめっきは付いてないようです。