メッキと塗装の技術情報Technical info

メッキと塗装について

はじめに

表面処理には様々な技術、方法があります。この技術ハンドブックは「電気メッキ」と「電着塗装」、「吹付け塗装」(工場内で行う工業塗装)について様々な製品の設計や開発する方が知っていると便利なこと、役に立つことを主眼に置いて書かれています。製品設計や見積もり依頼の時に少しでもお役に立てれば幸いです。

表面処理の種類と概略とその目的

表1 に表面処理全体の種類と概略、表2 に表面処理の目的を示します。設計技術者はまず目的に応じた最適な表面処理方法を選択することが重要になります。ここで云う目的とは耐食性や美観、機能と単価、納期まで含めます。

表1. 表面処理全体の種類と概略




電気メッキ 金属を溶かした溶液中で品物を陰極にし直流電気を流し溶かした金属を品物に
析出させる方法。
陽極酸化 品物を陽極にして直流電流を流し酸化皮膜を生成させる方法。
アルマイト、チタンやSUSの着色皮膜など
塗装 樹脂を品物に付着させ透明なコートやカラー皮膜をつける方法。
吹付け塗装、電着塗装など
無電解メッキ

金属を溶かした溶液中での還元反応により品物に溶かした金属を析出させる方法。

溶融メッキ 低融点金属・合金を溶融し、その中に品物を入れ金属を付着させる方法。
亜鉛、錫、アルミ、鉛など
表面硬化 品物の表面に薄い化合物の皮膜を形成させる方法。
リン酸亜鉛処理、クロメート処理など
溶射 物理蒸着:容器内を真空にして金属や酸化物を蒸着させる方法。
真空蒸着、スパッタリング、IP,イオン窒化など
蒸着 金属、セラミックスなどを溶融して噴霧し品物の表面に付着させる方法。
化成処理 浸炭、窒化、高周波焼入れなど。
箔押し ポリエチレンフィルムなどに金属を蒸着し加熱された凸版を押しあてると
その部分が成型品に転移する。

表2. 表面処理の目的

機械的特性 硬度、潤滑性、寸法精度、離型性、肉盛り性、耐摩耗性、すべり性、耐衝撃性、耐キズ性
電気的特性 伝導性、導波性、接点性、抵抗特性、電磁波遮断効果、絶縁性
光学的特性 光沢度、光反射防止、光反射性、光選択吸収性、耐候性
熱特性 耐熱性、熱吸収性、熱伝導性、熱反射性
物理的特性 半田付け性、ボンディング性、非粘着性、接着性
化学的特性 耐薬品性、汚染防止、殺菌性、抗菌性
装飾性 色調、光沢、意匠性
その他 難燃性、写実再現性、撥水性

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